ここではまず公開準備に先立ち、証券取引法193条の2の規程に準じて、監査法人の監査を受けるために監査法人と接触をする必要があります。
原則2期間の監査証明が必要となりますので、直前々前中の接触が求められます。

公認会計士監査の導入について
第2章「目標上場スケジュールの設定」でご説明した通り、スケジュール設定の際に監査法人からの2期間の監査証明が必要だというお話をしましたが、会計監査を導入するということは端的に言えば監査法人と監査契約を締結するということです。
基準期が決まり上場準備を始めることが決定されたら(詳細は第2章「目標の上場スケジュール設定」にて説明)、まずは監査法人と監査契約を締結しなければなりません。企業の提出する財務諸表が上場会社として法のルールに則ったものであるか、また正確なものを迅速に作成できる内部統制環境が整備されているかなどの監査および証明業務を行います。
備考 〜会計監査人、監査役、内部監査の連携
監査には公認会計士監査のほかに監査役監査、内部監査があります。監査役監査、内部監査と公認会計士監査は相互に牽制を働かせながら協力体制を敷く必要があります。関係図
をご確認ください。
監査契約を締結するまでの流れ
監査契約を締結するまでの流れを説明致します。
1.予備調査
監査契約を締結する際に監査法人からほとんどの場合、事前に予備調査(ショートレビュー)を求められます。これは監査法人自身が会社の状況を網羅的に調査するのが主な目的となります。監査契約を締結する前の事前診断といったところでしょうか。調査結果があまりにひどいと監査契約に移行できないケースもありますので予備調査前には最低限のことについては整備しておく必要があります。
費用について
予備調査の費用は被監査会社の規模、監査法人によって異なりますが、中小規模で50万円〜100万円位が多いようです。具体的な金額については各監査法人にお問い合わせください。
2.監査契約
監査法人が監査契約を締結できる企業であると判断した場合には監査契約へ移行できます。上場までには最低2期間の監査法人による監査証明が求められますので、直前々前期内には監査契約を締結しなければなりません。
費用について
監査契約にかかる費用は被監査会社の規模や関係会社、業種、業態、さらには監査法人によって異なりますが、中小規模で年間500万円〜1000万円位が多いようです(あくまで目安ですので、詳細は各監査法人にお問い合わせください)。
3.期首残高についての監査
原則的には監査対象事業年度の期首残高についての監査が必要となります。直前々期の期首の段階で監査を行います。つまり監査法人とは直前々前期中に監査契約を締結し、直前々期の期首には監査契約を締結していなければなりません。

監査契約を締結する上で重要な点
監査法人はどの企業に対しても監査契約を締結する訳ではありません。当然監査に対応できるような会社でなければ監査業務自体も進めるのは困難です。従いまして、監査契約を締結する際には以下の点に気をつける必要があります。
財務諸表等を一定の基準で、一定の手続により、一定の期間内に作成する必要があります
経理業務において組織的・人員的に作成能力が過度に不足している場合には少なくとも月次および年度決算体制は確立する必要があります。月次決算については10日以内を目標に体制を築きましょう。
早い段階で監査法人と接触し、監査受入体制についてのアドバイスを受ける必要があります
監査法人との人間関係を築き、監査契約を締結するための体制作りについて忌憚のないアドバイスを受けることが重要となります。事業の成長性や会社の将来性をしっかりとアピールし、誠実な対応を心がけることをお勧め致します。
その他にも親しくしている相談に応じてくれるプレイヤーにアドバイスを求めたりすることも有効な手段となりえます。
どのように監査法人を選定すればよいのか?
監査法人は今後付き合う重要なパートナーになりますので慎重に選ばなければなりません。
監査法人選定のポイント
ベンチャー企業にとっては監査費用が利益を圧迫することもありますが、監査報酬の額で監査法人を選定することは避けたほうがよいでしょう。各監査法人の詳細の実績を分析し、担当者と実際に会ってみることは非常に有効な手段となりえます。
